| 荷物をかついで横浜港の大桟橋へ向かう |
退職したら船旅に行きたいと思っていました。それは今から10年以上も前のことです。その時、やりたいと思っていたことは沢山ありました。船旅はその中では優先順位がかなり低い方でした。百名山の山旅や日本一周やヨーロッパの自転車旅には早い機会に行きたいと思っていました。船旅はそれらの後で、もし時間があったら、という程度でした。旅と同様に、退職したら好きな手仕事をがっちりとやりたいと思っていました。藁細工、竹細工、そして茅葺きです。どれひとつとっても、未知の洞窟のようにどこまでも深く、いくらでも時間のかかることでした。
じっさいにやってみると、旅も手仕事も想像以上に楽しかったのです。退職後の日々はあっという間に過ぎて行きました。やりたかったそれぞれについて、思った以上の成果も上がってきたことを実感していました。今から3年ぐらい前のことです。ずいぶん頑張ってきたのだから、このへんで自分にご褒美してもいいかなと思いました。70歳にもなることだし、連れもできたし、ということもありました。
そう思ったのが先だったのか、ピースボートの新聞広告を見たのが先だったのか、今でははっきりしません。船旅に行きたいという思いがふたたび湧き上がりました。反射的に、105日間で地球を一周するピースボートの旅に連れと一緒に申し込みました。
その時点では、出発は2026年12月で、航路は西回りで南極を見る予定でした。2年ほどそのつもりで待っていました。とつぜん、今年の1月にピースボートから、2026年4月出航のツアーに変更しませんか、という誘いがありました。変更すれば、かなりの額のお小遣いがもらえるとのことです。そのツアーは、急な航路変更で多数キャンセルが出たので、その穴埋めがしたいのでした。こちらは航路にこだわりはなく、むしろ早く、安く行けるのが魅力でした。変更の手続きをして、今年の4月7日に横浜港から旅立つことになりました。