波と垂は今年4月から中学生になった。部活は波が陸上部で、垂は美術部に入った。
陸上部は顧問の教員が熱心で、結構きつい練習が平日だけでなく休日にもある。競技会もある。波は顧問の強い物言いや、先輩後輩の上下関係など、釈然としないことがあるようだ。
垂の美術部はほとんど活動がない。部員もこれといってやる気もないようだ。休みの日には部員が集まって遊んでいる。
この波と垂のアンバランスな活動状況を見て、垂と一緒にもっとカラダを動かそうと思った。親のお節介と言われても何の自己弁護もできない。自分自身の楽しみに、子供を巻き添えにしている、と思われても仕方がない。
そうは言いながらも、子供の歓心を得ようとすることは忘れない。
今回は、熊谷駅から出発するSLのC58、パレオエキスプレスを見に行こう、と垂を誘った。
昨年9月にも同様の計画で、波と垂を連れだした。その時は、郭町の家を出発して30分後にパンクし、その修理に手間取り、熊谷駅に着いた時にはC58はもう出発したあとだった。今回はそのリターンマッチでもある。
8時に家を出発して、9時に吉見運動公園に着き、ちょっと休憩する。ふたたび1時間ほど走って10時に熊谷駅に着く。ホームには乗車する人、出発を見る人でにぎやかだ。
大きな音の汽笛が響き、C58は定刻に秩父の山並みへ向けて、白い煙をたなびかせながら発車した。
垂は波の分の記念乗車券も買ってやっていた。
帰りも順調に走り、昼過ぎに家に帰りついた。