わたしは春を告げるコブシの花が好きだ。まだ冷たい風が吹く季節に、青い空を背景にして白いたくさんの花弁が、木全体を覆うように咲いているのを見るのが好きだ。学生の頃に見た神城山荘の隣りと、大学の図書館裏口のが今も心に残っている。そんなコブシが見たくて、久美ちゃんと自転車で行ってみた。
入間川沿いの自転車道を終点の豊水橋まで行く。橋を南に渡り、さらに国道16号を横切って扇町屋のとおりを南へ向かう。国道16号と合流したすぐ先の小谷田交差点で左折し所沢入間バイパスに入る。ここをずっと所沢方向に進む。誓詞橋の信号を過ぎると左側に畑が広がり、その奥にコブシの木が立っている。
このコブシの木は、これまで見たことがないくらい大きい。今日はまだ二分咲きといったところで、これが満開になったらさぞかし見事だろう。木に近づいて見ていたら、畑仕事をしていたお婆さんが胡散臭そうにこちらを見ていた。
同じ道を帰って来たが、途中トイレタイムをしたところに久美ちゃんが背負っていたザックを置き忘れた。ずいぶん走ってからそれに気がつき、取りに戻ったらまだそこに置いてあった。30分以上この人通りの多いところにポツンと置かれていたのだが、中の財布も携帯も無事だった。わたしが先日飛行機の中に忘れた本が、速やかに手元に戻ったことといい、今回のことといい、すごいな。