ナントを流れるロワール川 |
サン=ランベールへ帰るドミニクを見送りにナントまで自転車で行きます。
この旅の中盤までの湿った天気はどこへやら今日も抜けるような青空です。
ナントの街角で手を振ってドミニクと別れました。
フランス人のドミニクとこの三週間二人三脚で旅をしてきました。
彼と一緒に旅をして旅の目的が達成できたことを感じています。
このブラック・ツーリズムという奇妙な旅のはじめに旅の目的をこう書きました。
自転車で旅をして土地の人々の暮らしと暮らしを形作った出来事の軌跡を自分の目で見る。
ドミニクと知り合ったことで昨年のライン川よりもやった感のある旅ができました。
ドミニクはわたしよりいろいろ大変だったかなと思います。
わたしにいい旅をしてもらおうといつもとても気を使っているのがわかりました。
もし逆の立場だったらわたしは到底彼のようにはできなかっただろうと思います。
そのような人と旅ができたのは幸運でした。
別れ際にドミニクはこう言っていました。
ワインでもフラン紙幣でも欲しい物があったら送るからメールで知らせてくれと。
わたしはとくに欲しい物はありません。
それでも日本へ帰ったらメールをすると約束しました。
ドミニクの後姿を見送ってからフランの旧紙幣を売っている店へ行きました。
店先に書かれた開店時間は過ぎていますがシャッターは閉まったままです。
店の前におじさんが二人立っていたのでこの店は閉店していないか聞いてみました。
閉店はしていないようです。
間もなくすると五十がらみの男性がやって来てシャッターを開けました。
フラン旧紙幣にはシリーズが三期あります。
時代色の強い初期、デザインが洗練し始めた中期、ユーロ紙幣の原型のような最終期です。
値段は古いものほど高いですが相場が全く分かりません。
カモですね。
最終期を買うことにしました。
額面は五百フラン、二百フラン、百フラン、五十フランの四枚で合計八百五十フランです。
この紙幣が流通していた頃の為替相場は1フラン二十円ぐらいだったでしょうか。
今はもちろん紙幣としての価値はありません。
息子へのお土産なのでまあいいかなと。
それからユースホステルへ行き明日の宿泊の予約をしました。
キャンプ場よりユースホテルの方がナント空港に近いからです。
何しろ明日は大きな段ボールを背負って空港まで行かなければなりませんからね!
ユースホステルから植物園へ行って昼食を食べました。
今日もたくさんのちびっこが遠足に来ています。
なんとも平和な景色です。
帰りがてらTGVの走行をビデオに撮り買いものをしてキャンプ場に戻りました。
午後は音楽を聴きながらブログをしたり洗濯をしたりしてのんびり過ごしました。
ワインを飲みながら久しぶりに夕食を一人で摂りました。
ドミニクはこのワインは嫌いだろうなと思いながら。
本日の走行距離:38キロ
サント=リュス(2)➡ナントへつづく