2019年6月12日水曜日

ブラック・ツーリズム ドナウ川 アウ⇒メルク

6:00 起床
今日も天気がいいようです
キャンプ場の上に青空が広がりポプラの梢が風に吹かれています
それを写真に撮ろうとしたらジャマが入りました

隣のテントはフランス人のリタイヤ夫婦でずっと海外自転車旅をしているとのこと
これまでに行ったところはタイ、ラオス、ベトナム、チリ、ペルーなど
ドミニクはあとでタイやラオスあたりのことをメールで教えてくれるよう頼んでいました
だんなさんはよく話し、おくさんはもの静かなのが印象的でした

8:00 出発
今日は70㎞ほど走る予定で出発しました
これはわたしたちの平均的な一日の走行距離です
今日は向かい風のようですから少しきついでしょう

左岸土手に出ると案の定向かい風でした
わたしが先行してしばらく走っていると他のサイクリストがわたしの前に出ました
それと同時にドミニクが「アレジ!、アレジ!」といいます
わたしは何のことか分からずポカンとしてました
するとドミニクがわたしの前に出てそのサイクリストの後ろにピタリとつけました

やっと分かりました
向かい風が強いのでみんなで交代しながら走ろう、ということでした
先頭が風除けになり、後続が楽をする仕組みです
しばらくすると今度はドミニクが先頭に出てみんなを引っ張りました
5分ぐらいでわたしも先頭に出て走りました

その集団走行は30分ほどで終わりました
ダムを渡るところでわたしたちは小休止、向こうはそのまま行くからです
さようならの挨拶も走ったままであっさりしたものです

ヴァルゼー・ミッテルキルヘンのダムを渡ります

10:35
ダムからしばらくすごい田舎道を走りました
Tiefenbach橋からグラインの町が見えます

10:55
ボーっとするぐらいの暑さの中を町を見て歩きます
役場前広場
 目つきの良くない人はいないので自転車は役場の前にカギをしないで置いていきます
役場
教会の前に温度計がありました
日陰で32℃あります!
教会に入って涼みました
石造りの建物は涼しいですね
教会
11:11
おだやかに見える流れですが半世紀前まではここはドナウ一番の難所だったのですよ
岩山が両岸にせまり、川床には大きな岩がごろごろしていて難破船が続出したそうです
流れを遡っていく船は自転車より遅いスピードに見えます
城からの眺め
11:57
Tiefenbach橋まで戻り、対岸に渡って右岸沿いに走ります
こちら側の方が日影が多く少し楽です


少し下流に下ったところで昼食にします
流れのすぐ脇でいい眺めです
対岸にも自転車道がありますが自動車の交通量が多くカンカン照りです
こういうちょっとした違いで旅の印象はがらっと変わるものです

12:12
今日の昼ご飯です
サラダ、ソーセージ、リンゴ、ヨーグルト、水
チーズ、パン
12:50
のんびりと昼食を終えてまた走ります
キャンプ場のあるペヒラルンまで36㎞です
2時間半ほどで着くでしょう

15:31
猛烈な暑さのなかイップスを過ぎようやく先が見えました

15:55
ペヒラルンのすこし手前で小さな流れがドナウに注いでいます
ここに最初のキャンプ場がありました
ドミニクはここには泊まらないといいます
なぜなのか聞きました
「少し行った町中にキャンプ場があるからここには泊まらない
ここは買い物するのに町中まで往復する必要がある
明朝も町中にくらべ少し遠くから出発することになる」
いささか大袈裟ですが一応ごもっともな話ではあります

1㎞走って町中のスーパーまで来ました
夕食の買い出しをして町中のキャンプ場へ向かいます
店の前で男性に町中のキャンプ場の場所を確かめました
この町にはキャンプ場はないといっています
えっ!
この時にわたしはドミニクに、さっきのキャンプ場へ行こう、とぼやいてみるべきでした

ドミニクの地図を頼りにこのあたりかな、と探しますがキャンプ場は見当たりません
通りがかった女の人にも聞いてみます
キャンプ場があったことすら知らないといっています
うそ!
この際わたしはドミニクに、さっきのキャンプ場でいいじゃないか、と言ってみるべきでした

役場の前で通りがかりの男の人に尋ねると対岸にキャンプ場があると教えてくれました
そこまで5㎞あるそうです
もう時計は17時を回っています
ここでわたしはドミニクにきっぱりと、さっきのキャンプ場へ行こう、と主張すべきでした
1㎞ちょっと走ればいいだけですからね

なぜ三回も言うタイミングがあったのにわたしは言わなかったのでしょうか
よくわかりません
一日暑くて、くたびれて、頭の回転が鈍っていたのでしょう

下流へ1㎞走って大きな橋に着き、1㎞走ってそれを渡り、さらに「上流へ」2㎞走りました
キャンプ場らしきものは全く見当たりません
サッカー場の脇の建物に人影が見えたので行ってキャンプ場はどこか尋ねてみました
「ここにあったキャンプ場は廃止になったよ」
がっくり!

ドミニクがここの芝生でひと晩泊まっていいか聞きました
するとひと晩だけならいいと言ってくれました
ただしシャワーもトイレもなしです
飲み水をもらい落ち着いて考えました

最寄りのキャンプ場は上流へ6㎞行ったところです
これは戻る方向ですから論外です
下流には12㎞行ったメルクにキャンプ場があるとのこと
ドミニクが言うにはメルクのキャンプ場は最悪だそうです
トイレやシャワーは恐ろしく汚く、キャンプ場の横に停泊した船からひと晩中騒音がする

ここでも最初のキャンプ場へ戻ることには思い至りませんでした
メルクのキャンプ場も改善されているだろうと期待してあと12㎞走ることにしました

18:00
大きな橋を渡り返し、右岸土手の上の砂利道を走ってメルクのキャンプ場に着きました
もう日陰の場所は空いておらず、日没まで日向とおぼしきところにテントを張ります
今日はずいぶん距離を稼げて良かった、と思うしかありません
そうだよ、良かったよ
乾杯!
こうしてまた今夜もまたドミニクとのバカ話が始まるのでした

19:30 夕食

21:30 就寝

<走行距離> 97km(累計 934㎞)
<出費> 22€(食料代 10€、キャンプ代 10.5€、ビール代 1.5€ 累計 466€)
<Melkキャンプ場の評価> △(キャンプ代は普通だが、施設が貧弱

メルク⇒トライスマウアーへ続く