2019年6月1日土曜日

ブラック・ツーリズム ドナウ川 ハウゼン⇒リートリンゲン

5:30
起きると川霧が谷を漂っていました
Hausenのキャンプ場で
きょうも天気がよさそうです

8:55
キャンプ場を出発して間もなくThiergartenという無人駅を過ぎました

ドミニクが、ここの駅名は「動物園」だ、といいます
駅のまわりは森ばかりでそれらしきものは見えません
のちほどわかりました
動物園のつづりはThiergartenではなくTiergartenです
ではThiergartenとはなんでしょう
わかりませぬ

9:32
向こうからくるサイクリストが自転車を押してきます
見ると自転車道におおいかぶさるように木が倒れています

さっそくドミニクと木の撤去にかかります
木の根元を見て、おやおや、犯人がわかりました
ビーバーの仕業です

川べりに見ると流れに面して彼らの家があります
自転車道と川の間には人の背丈ほどのフェンスがあるのでビーバーにはこの木を運べません
木を川の方に放り投げました

10:00
急坂を登りインツィクコフェンの修道院の中庭で休憩しました
窓ガラスには波が打ち、雨樋は銅製のとても古い建物です
教会に入ると結婚式用の音楽が流れています

10:25
インツィクコフェンからドナウへ下る坂を快走して
ホーエンツォレルン家の居城があるジグマリンゲンに着きました

町の中には新旧の建物が混在し、通りは土曜の朝の人出でにぎわっています

建物の間からそそり立つ城が見えます

ドミニクが「町の上手に教会が建っている眺めがいいところがある」というので行ってみます

10:54
荷物を付けたままの自転車を押してひと汗かいて丘のうえに着くと、これはいい眺めです!

ここには私たち以外に誰もいません
こんないいところを教えてくれたドミニクに感謝です
わたしはドミニクと旅をすることで、いつもとちがう景色を見ることができます

川霧に濡れたテントを干しながらドミニクから第二次世界大戦末期の逸話を聞きました

ドイツに占領された1940年から1944年まで、フランスの首都は中部のヴィシーにありました
ノルマンディーに連合軍が上陸すると、ドイツ軍はヴィシーの閣僚をこの城に拘束したのです
そしてドイツ軍の敗戦までの一年間、閣僚たちはこの城の中で過ごしたそうです

よく晴れた日に囚われの身で望む彼らの目に、外の景色はどう映ったでしょうか

17:04
逆風を突いてリートリンゲンの町に着きました

屋根の上にシゴーニュの巣が見えます
右の木は春の訪れを祝ったメイポール
きれいに修復された家並みが美しい




19:02
ながい一日が終わり、リートリンゲン近くのキャンプ場にテントを張りました
シャワーを浴び、ビールを飲んでくつろぎます

このキャンプ場にはめずらしくビールが自動販売機で売られています
値段が手ごろ(501ml瓶 1.5€)なので何本も飲んでいるみなさんもいました

19:43
今夜のメニューはドミニクの山料理、牛ひき肉とパスタのトマトソース煮です
まずはひき肉を炒めます

同時にパスタをゆでます

ゆで上がったパスタにトマトソースをかけてまぜます

19:52
ひき肉にパスタを加えて塩コショーで味をととのえ、はい10分でできあがりです

一日動き回ったあと、ワインを飲みながらの味は格別です

食後に、今日訪れたリートリンゲンの町は美しかった、とドミニクに話しました
着かず離れず走ってきたフランス人夫婦はリートリンゲンの町を訪れなかったといいます
もったいないことです
旅程に限りはあるとしても見るべきものはちゃんと見ておくことは大事でしょう
えてして「今日はどこまで行く」とか「何時までにあそこに着かなければ」を優先しがち
急いだためにいいものを見過ごしてしまっては旅をする甲斐がないというものです
こういうメンタリティを共有してるから一緒に旅ができるんだよ、とドミニクはいってました
なるほどね

22:00 就寝

<走行距離> 66km
<出費> 22.5€(食料 14€、キャンプ 6€、ビール 1.5€)
Vöhringer Hofキャンプ場の評価> ◎(料金がとてもやすく、立地がいい)

リートリンゲン⇒ウルムへ続く