2022年6月2日木曜日

ブドウ畑をめぐる自転車旅 5

朝から怪しげだった空模様が完璧におかしくなってきました
なだらかな丘の向こうから黒い雲が流れて来てその下で雨が降っているのが見えます
あたりは一面のブドウ畑でどこにも雨宿りする所はありません
時折稲光が見え雷鳴が聞こえるようになりました
そうは言ってもやっとブドウ畑にたどりついたばかりです
まだ小さなブドウの房をじっと見つめます
これがひと夏過ぎるとたわわなブドウになるのか
空模様がいよいよ危なくなってきました
おやこんなところに石組み小屋が
ブドウ畑で作業する人が雷雨を避けるための小屋のようです
道端の地図に特急(Grand Cru)と第一級(Premier Cru)のブドウ畑が記されています
Chassagne-Montrachet(フランス人でもよくスペルを間違えます)に入りました
ここは「世界一の辛口の白ワインを産出している所」(『ワインの本』辻静雄)だそうです
雲の流れ方からすると間もなく雷雨がやってくるでしょう
Puligny-Montrachet に入ったところでいよいよ降りだしてきました
村の中を雨宿りする所を探しながら走ります
こういう時のドミニクの感覚はとても鋭いです
雷鳴がすぐ近くで聞こえるようになりました
あと10分以内に豪雨になるだろうという時に運動場のかたわらの古い更衣室を見つけました
そこに自転車を引き込んでホッとしたところで雨が猛烈に降ってきました
クロスワードなどをしていると30分ほどで雨が小降りになりました
降りだしから45分で薄日が差すようになったので出発することにしました
雷雲がどんどん遠のいていきます
時折このように石垣で大切そうに囲われたブドウ畑を見かけました
Meursault に着きました
ここもワインの産出量の多い村です
役場の前の噴水
モチーフはやっぱりブドウの収穫です
Volnay に近づくにつれて空が晴れ渡ってきました
久しぶりの青空です

Volnay に入りました
ここからはドミニクの大好きな赤ワインの領域です

雨上がりの村にみずみずしい景色が広がっていました
Pommard を過ぎてこの地方の中心地である Buaune に着きました
ここでドミニクおすすめの救済院(Hospieces de Beaune)を見学しました
この豪奢な建物の中で15世紀から貧しい人々への医療が行われていたというのです
教会の中のような大空間にベッドが(わずか)30ほど並んでいます
施設は王侯貴族から寄進されたブドウとワインによる収入で運営されていたそうです
カトリックが理想とする善の象徴なのでしょうか
見終えてキャンプ場へ向かいました
受付で歓迎のジュースをふるまわれました
こちらは分かりやすい善のカタチです
夕食はドミニクの好きな牛挽肉のステーキ、日本風に言えばハンバーグですね
パスタの上に乗せてトマトソースで縁取るとなんか美味しそうに見えるから不思議
実際に美味しかったです!

<走行距離> 29㎞(累計 73㎞)
<出費> 37€(入場料 11€、キャンプ代 8€、食料代 18€)