1971年1月21日木曜日

表尾根から鍋割山 1969年6月8日

わたしは小学校の林間学校で丹沢山塊の東端にある大山に登りました
その後ふたつ年上の兄とその大山に2度登りました
その程度の登山では登山靴もリュックサックも必要ありません
ふつうの運動靴とナップサックで登っていました

兄がひと足先に高校に入学して山好きの同級生と友達になりました
その友人から聞いてきた山登りの話は面白そうでわたしも引き込まれていきました
わたしも山登りをもっと本格的にやってみたいと思うようになりました

先月兄と陣場高原に行ったのは、その友人がとても楽しいコースだから、と薦めたからでした
たしかに面白い山登りでした
上案下の山里らしい雰囲気、変化のある稜線をたどる面白さ、
「こんなに歩いたのか!」と来た道を振り返る心地よさ
陣場高原で山歩きの魅力に取り付かれました

兄が山登りにはそれ専用の靴が必要だと母親にねだりました

兄が買ってもらうならわたしもと思いました

ところがどこでそういう靴を売っているのかも、いくらぐらいするのかも知りませんでした


ある時家族で伊勢佐木町の丸井へ買い物に行きました

そこでキャラバンシューズという登山用の靴を売っているのを見つけました

アッパーはダークブルーのナイロンで、分厚く黒いゴム底には滑り止めの金具が数個付いています

靴に顔を近づけるとナイロンかゴムか接着剤か、何か独特のにおいがしました


そこに並んでいたキャラバンシューズには高いのと安いのがありました

兄の足の大きさに合う高いタイプはサイズ切れだったので兄は安いタイプを買うことになりました

わたしはサイズが合う高いタイプを買ってもらうことになりました

わずか千円の違いでしたが兄よりも高い登山靴を買ってもらえたことを喜びました


キャラバンシューズを買ってもらったのでそれを履いてどこへ行くか考えました

これまで大山には3回登っています

大山と違って陣馬山から高尾山の縦走は変化があって楽しかった

今度はまたどこか別な山に自分ひとりで行きたいと思いました


ガイドブックを買って読むと丹沢の表尾根は最もポピュラーなコースだと書いてありました

それでそこへ行ってみることにしました


大秦野駅(現秦野駅)からバスでヤビツ峠(761m)まで行きそこから歩きはじめます

ヤビツ峠から二ノ塔(1,144m)への登りはけっこう急でした

これはたいへんだと思い、そこからもっとゆっくりしたペースで歩くことにしました


大きく見えた三ノ塔(1,205m)を過ぎてもアップダウンがまだ続きました

かなり疲れて塔ノ岳(1,491m)に着きました


下りは鍋割山(1,273m)をまわって行きました

鍋割山から後沢乗越(810m)通りすぎ中山峠(390m)から林道を歩きました

三廻部部落でトラックが一台通りかかりました

運転手の人が「乗るかい。」というのでありがたく乗せてもらいました

途中でそのトラックを降りてあとは渋沢駅まで歩きました