1971年1月16日土曜日

大山  1966年7月25日

くたくたになって下社まで降りてきました
最前列右から3人目が私

はじめて本格的な登山をしたのは小学5年の時でした
林間学校で夏休みに神奈川県の大山に登ったのです

まず上星川駅から相模鉄道に乗り終点の海老名駅まで行きました
そこから小田急線に乗り換えるためにホームに立つと大山が大きく見えました
家の近くから何度も遠望したあの形ですが、そばに来て見ると圧倒な大きさです

伊勢原駅で小田急線を降りてさらにバスに乗って山の麓へ行きました
谷が狭まってきたところでバスを降りました
旅館や土産物店が立ち並ぶ前の道を上っていくと今夜泊まる宿に着きました

大山登山の前夜は山麓の先導師(せんどうし)旅館に泊るのが昔からの習いです

先導師というのは今でいえば登山のガイドのことです


大山講というのが江戸時代に盛んになりました

江戸をはじめ関東の各地から大山に参詣登山にやって来る人が増えまし

それらの人々を案内するのが先導師で、その人が経営する宿が先導師旅館です


私は外泊が嬉しくてはしゃぎまわり、夕食の時に最高潮に達しました

ご飯を口にいっぱい頬張ったままお代りに立ち、担任のI先生に叱られました


翌朝はあいにく小雨でしたが登山は予定通り行うことになりました

担任の先生をリーダーとしてクラスごとに山頂への道を登ります

途中、登るのがつらくなって次々と脱落していく生徒もいました

私は体がいつもの調子ではありませんでしたがなんとか登っていきました


旅館で作ってもらった昼食を途中の樹林帯で食べました

みんなでワイワイ食べていると誰かがおにぎりを落しました

それが斜面をころげ落ちていくのを見て「おむすびころりんだ!」とみんなで大笑いしました


最後の坂を登りつめ大山の1252mの頂上に着きました

やっとたどりついた山のてっぺんに立派な神社が建っているのが意外でした

どうやってこの大きな材木をここまでもちあげたのでしょうか?


山頂の西側へ行くとすばらしい景色が広がっていました

雲海の上に箱根火山群、富士山、丹沢連峰などたくさんの峰々が見えました


下山を始めると疲れがどっと出てきました

途中下社で記念撮影をしましたがくたびれてみんな笑顔になれませんでした

それでもなんとか頑張って先導師旅館まで帰りつくことができました