1971年1月17日日曜日

白石沢キャンプ場 1966年夏

父は海が好きで毎夏家族5人で一度は神奈川県内の海水浴場に日帰りで出かけました
ところがこの年は珍しいことが起こりました
神奈川新聞社主催の親子キャンプに申し込み、家族そろって丹沢の白石沢へ行ったのです

それまで家族で泊りがけの遠出をすることはほとんどありませんでした
なので、わずか2、3泊のキャンプでしたが、とりわけ印象深く覚えています

わたしたちを乗せたバスは酒匂川から支流の中川川へと狭い道に分け入りました

対向車が来るとバスはすれ違うために崖っぷちギリギリのところを走ります

そのたびにわたしはバスもろとも谷底に落ちるのではないかと肝を冷やしました


やっとのことで山奥の箒沢という集落につきました

そこから1時間ほど林道を歩いて白石沢のキャンプ場に着きました


小さなバンガローで寝起きしました

ここに家族全員で来ているというだけでうれしくなりました

それに加えて山の中で目にするもの、聞くもの、肌で感じるもの、すべてが新鮮でした


夜に屋外広場でやったキャンプファイヤーには虫が沢山飛んできました

そのあとレストハウスの中で行われたキャンドルサービスの雰囲気は心にしみました

リーダーが歌ってくれた山の歌は、どれも今まで聞いた歌とは全く違う響きがしました


白石沢の河原は石がゴロゴロしていて、泳ぐことはできませんでした

それでも体の芯が冷えきるまで水遊びを楽しみました

子供たちが楽しんでいる間、母は所在なさげにぼんやりしていました

家ではいつも忙しそうにたち働いている母ですがここではやることがないのです


広場でみんなでバレーボールをして遊びました

兄は夢中でボールを追いかけていって木株に足を引っ掛けてケガをしてしまいました

父と一緒に医者のいるところまで下山し、夕方帰ってきました

山の中の診療所とて、麻酔なしで5針ほど縫合したそうです

父は何やら不機嫌そうな顔をしていました