2023年6月6日火曜日

ローヌ川の自転車旅 ブラモア ⇒ ラ・メデッタ 46㎞

ローヌ川の川沿いに下っていくと川はレマン湖になってジュネーブに至ります
友人のドミニクはレマン湖は南岸より北岸を走ったほうが楽しいとアドバイスをくれました
たしかにローザンヌなどを訪ねていくのは面白いだろうとレマン湖北岸を行くつもりでいました

北岸経由の泊り場を検討していた時に別のアイディアが頭に浮かびました
レマン湖ではなくシャモニー経由で行く方がもっと面白そうだ!
シャモニーには40年以上前に山登りやスキーで友人と何日も滞在した思い出の地です

ローヌ川からシャモニーへはマルティニから峠を登山電車で越えていきます
そこを自転車で行けるか調べてみました
もちろん自動車道はありますが問題はそこを重い自転車で漕いで行けるかです

マルティニと峠の標高差は1,000mあります
フルカパスを越えた数日後にまた同じことをしなければなりません
空身のロードバイクであれば問題ないでしょう
荷物をたくさん積んだツーリングバイクではかなりのチャレンジです

旅に出る前はそう思っていました
じっさいフルカパスはきつかったけれど登ることができました
なのでシャモニーへの峠も自転車で何とか越せるのではと楽観的になりました

その激坂が午後に待っているので今日はちょっと早めの7時半出発です
ブラモアのキャンプ場
キャンプ場前のブドウ畑
ローヌ川沿いの自転車道から朝の景色を楽しみました
自転車で通勤中とおぼしき人たちが「ボンジュール」と挨拶して追い越していきます
きのう晩御飯を食べている時に居合わせたドイツ人の50代とおぼしき禿げた男性と話しました
「スイスは景色も食べ物も人々もすばらしいけど唯一モノの値段が高いのが残念だ」
そう言っていました
たしかに物価は高いなと思いました
500㏄のペットボトルの水が500円には驚きましたから

食事を終え自分のテントに戻ってから「だからどうしたというのだろう」と思い直しました
「物価は高いけどすばらしい国だ」と
物価は一番大切なことではないと思います
景色はいいけど単調な土手道を走っているとお腹が空いてきました
 
木陰にベンチとごみいれのあるところを見つけ休憩しました
 
先客の70か80代とおぼしき女性2人に挨拶してベンチに座りました
ナッツやチョコレートで少々腹ごしらえをしました

そろそろ出発しようかと思っていたところでした
例の女性たちが腰を上げ頭上の小枝に手を伸ばし取った実を口に入れました
わおサクランボです
女性たちは2、3粒ずつ食べて行ってしまいました
わお気がつきませんでした大好きなんです
ひとつ食べてみるとまだ完熟前ですが固くなくほんのり甘くて美味しいです
手の届くところのはほとんど食べてしまいました
ラッキー!

そこから少し走ったところに湧水がありました
ペットボトルにたくさん入れている人がいました
よく来るのですかと聞いたらそうでもないそうです
 
マルティニに11時半に着いてすぐに観光案内所へ行きました
午後に登る激坂の途中にキャンプ場があるか確かめるためです
期待していた辺りにちょうどありました
マルティニの木橋と城
私は旅にスマホやPCを持っていかないのでこうしていろいろ人に聞くことが多いです
観光案内所の若い女性はとてもにこやかに親切にキャンプ場の場所を教えてくれました
旅では必要なことについてなるべく人と話して聞くようにしています  

今日の最終目的地が決まったのでまず買い出しをします
街中にコープがあったので今日の昼と夜と明日の朝の食料を買いました
昼食を噴水のある公園で食べ終わると疲れが押し寄せてきたので10分間目を閉じました
さて12時10分に出発です
これから距離11キロで標高600mを登ります
荷物を載せたクロモリの自転車は重さ40キロあります

坂道をこれ以上はゆっくり走れないスピードで登りました
長いトンネルを抜けたところの橋のたもとで休みました
13時です
標高差200mを登るのに1時間弱かかりました
問題はかかった時間ではなくまだ登る気力が残っているかです
頭上にはこれから始まるつづらおれの道が見えます
それが楽しみではないにしろ嫌でもありません
またゆっくり登り始めました
途中で何度も休みを取って登りようやくサルヴァンに着きました
こんなに登ってきたのかといい眺めです
さらに1時間ほど走って14時15分に目的地のラ・メデッタというキャンプ場につきました
思った通りに走って来れてほんに今日はメデッタい!
荷物を外した自転車もホッとしている様子
キャンプ場に管理人が見当たりません
隣のおじさんに様子を聞くとつまり適当にすればいいのだということがわかりました
キャンプ場の入り口に近いところにテントを張って泊まることにしました