ドミニクとの自転車旅はシンプルです。
旅で私たちはテントに泊り自炊し自転車で移動し時折名所旧跡を訪ねます。
これを何週間にもわたって繰り返し結果的に走行距離が千数百キロにも及びます。
10年、20年前はこういう旅をする人たちがヨーロッパにかなりいたようです。
今は全く少数派になりどこのキャンプ場もキャンピングカーが多くを占めています。
それでも愛好家はまだ健在でその人たちとこれかた10日間の旅をする予定です。
このような旅を安心してできるのはドミニクがいるからです。
彼は日本からの長旅で疲れた私たちを空港まで迎えに来てくれ家で休養や準備をさせてくれる。
フランスでの自転車旅にリラックスして臨めるよう彼はできる限りのことをしてくれるのです。
朝食のおもてなし |
試走中に不具合を発見! |
今日の旅
アヴィニョン駅でリヨンからの列車でやってきたドミニクたちと合流しました。
アヴィニョンで合流し昼食 |
ここからナルボンヌまで行き、また乗り換えてバジエージュまで行きます。
バジエージュから自転車に乗って今夜の泊り場であるキャンプ場まで行きます。
夕方7時頃には着く予定です。
フランス国鉄の列車には自転車を乗せられるスペースがあります。
その数に限りがあるりすべてふさがっている場合は最悪乗れないということもあります。
切符を購入する際にスペースを予約することが薦められています。
しかしそのスペースを予約している人を私は見たことがありません。
今回は2本の列車とも他に自転車乗りが少なかったのでゆったりと移動できました。
ナルボンヌへ向かう列車の補助席に座る |
ホームに人が倒れているのが見えます。
皆で急いで行ってみるとベンチの前に若い女性が横たわっています。
歯科医のジャン=ジャックが脈拍や呼吸や瞳孔を確認し言葉をかけました。
女性は意識がありません。
近くにいた人が急いで救急隊に電話しました。
(ヨーロッパの緊急電話番号は112です)
救急車の到着を待っている時間が私には長く感じられました。
救急車より前に憲兵隊の車が到着し2人の憲兵が降りてきました。
憲兵たちは女性の安否を確かめ、次いで私たちから事情を聴きました。
彼らはまた皆の名前と電話番号も聴きました。
私の番になった時にすかさずジャン=ジャックが「日本まで電話するのか?」と憲兵に言いました。
すると憲兵はにやりとして私に尋ねるのをやめました。
私たちは女性のことを憲兵たちに任せて現場を離れてキャンプ場へ向かいました。
私たちが列車を降りてからすでに1時間たっていました。
キャンプ場に向かって一列で走っていくのは新鮮です。
これまではいつも一人か二人で旅していたので集団で走ったことが無かったからです。
私たちはキャンプ場をなかなか見つけられませんでした。
私たちはグーグルマップを見たり通りがかりの人に道を聞いたりしました。
そしてやっと私たちはキャンプ場に着きました。
バジエージュを出発してから1時間が過ぎていました。
私たちがキャンプ場の受付を済ませたのは20時過ぎでした。
もう食料の買い出しに行く時間がありません。
私たちは今夜はキャンプ場の受付で売っているもので夕食を済ますことにしました。
少しの食べ物とワインと皆の笑顔があれば楽しく時は流れます。
Camping Les Violettes で |