小さい時から数えきれないほど何回も山登りをしてきました
それをとおしていろいろな経験をしました
それらはのちの山行で役に立ったりただ消えてなくなりました
今日はわたしの過去の山行きで経験したことのないようなことがありました
歩き始めから終わりまで一日中誰ひとりとも会わなかったのです
もっと奥深い山へ行ったこともありますが一日ひとと会わなかった記憶はありません
苗場山を登り終えたる頃にそのことに気が付きました
思えば4月は真冬と同様に山が静かな時期です
スキーシーズンの喧騒が去っていてもふつうに山歩きをするにはまだ寒い
巷は年度初めで学校も職場も落ち着かず山へ行く気にならない
雪深い山の林道はまだ除雪されておらずまだ閉鎖されている
そんなこんなでここ苗場山は静かなのです
秋山郷の小赤沢集落から車で林道に入りすぐに一合目を過ぎます
急な坂とカーブが続きますが除雪されているので登っていけます
三合目に向かう上の俣分岐に「通行止め」の立て看板が立っていました
ここに車を置いて徒歩で苗場山頂を往復することにします
7時に上の俣分岐(標高約1250m)から歩き始めました
三合目までは上り下りの少ない除雪された林道を30分歩きます
アスファルトの上にところどころ薄氷が張っているのでスリップ注意です
三合目に着きました
駐車場はまだ1メートル以上の雪の下です
ここから樹林帯の雪の上を地図を頼りに夏道と思ぼしきところ探しながら歩いてきます
急斜面になる手前でアイゼンをつけて小尾根に取りつきました
赤土の夏道が出ています
出発してから一時間ほど歩いたので休みます
風もなくさんさんと春の日が降り注いできますが暑くはありません
小尾根は木がまばらな平たい斜面に吸収されていきます
どこが夏道なのか判然としませんが時折木の幹に赤ペンキの丸印がありほっとします
針葉樹の林を抜けるとダケカンバがまばらに生えた斜面に出て山頂方向が見えました
山頂へのルートはここから二つに分かれます
光る急斜面を直登するか夏道沿いに緩めの道を行くかです
今回はピッケルを持ってこなかったので夏道沿いに行くことにしました
雪の上に落ちていた根曲がり竹を杖代わりにして結構急なところを上っていきました
するとひょっこりと平らなところに出ました
苗場山は頂上付近が平らなテーブルマウンテンです
晴れていれば迷う心配もありません
散歩気分で歩いていけます
苗場山の頂上はどこかわからないような平らな雪原の上です
おそらくここだろうと思われるところに10時35分に着きました
苗場山山頂から |
帰りは雪の上に残った自分の足跡を辿りながら走るように下りました