恵那山に登る尾根から見た中央アルプス |
はるか昔のこと、ともに大学浪人が確定した友人と雪が残る春の信州を旅しました
国鉄の信州周遊券をフルに使い、食事は駅ソバやパン、夜は駅の待合室で寝る貧乏旅です
清里で美しの森、小諸で懐古園、松本で松本城、糸魚川で日本海と見て歩き
最後に木曽路へ行きました
ここでの一泊だけは妻籠から馬籠へ向かう道端の民宿に泊りました
囲炉裏端でご飯を食べ、何日ぶりかで風呂に入り、ゆっくり布団で寝ました
翌朝気持ちよく晴れた街道を歩き馬籠峠を越えました
見晴らしの良いベンチを見つけ携帯石油ストーブで雪を融かしラーメンを作って食べました
目の前には恵那山がゆったりとたたずんでいました
いつかこの山を登りに来たいなと思いました
先日どこか山へ行こうと考えていた時にこの旅のことをまた思い出しました
「いつか」とはきっと今のことなのだろうと恵那山へ行くことにしました
いつものように自分らしく楽しむ山旅です
・高速道は使わず一般道を使い
・食事は自炊か弁当など
・宿には泊まらず車中泊し
・行き帰りには麓の景色も見て歩く
旅のスタイルがあの頃と変わっていないことに苦笑してしまいます
4月8日
川越から本庄、吉井、下仁田、佐久、和田峠、伊那、飯田と天狗党の西上ルートを辿ります
幕末に水戸から京都へと大挙して向かったあの天狗党がとった道です
手っ取り早くいいますと旧中山道です
沿道の桜の咲きぐあいに感心しました
南アルプスと中央アルプスに挟まれた伊那谷は南北に長い谷です
その北に位置する辰野ではまだ桜が開花していませんでした
それが南下するほどにほころびだし、飯田ではすっかり見ごろになっていました
辰野と飯田は直線距離で60㎞ほどです
飯田からもう少し走って道の駅信州平谷で車中泊しました
4月9日
朝5時に目覚めて車窓から見上げた空に星が見えました
広河原コースの駐車場へ移動して腹ごしらえをし6時半に出発しました
樹林帯の急な尾根を30分ほど登ると雪がでてきました
ところどころ凍っていて滑りやすいのでクランポンを履きました
クランポン歩行するのは30年ぶりです
山頂までの中間地点を過ぎると東側の見晴らしがよくなりました
伊那谷を隔ててみる南アルプス |
堅くしまった雪を踏みしめて登り、9時半過ぎに山頂につきました
物見櫓に登っても樹林にさえぎられて展望が効きません
帰りは景色を楽しみながら下りました
北西側の見晴らしもよくなりました
御岳(左)、乗鞍岳(中央)、穂高岳(右) |
東側の南アルプスはどれも山名がわかります
左から仙丈岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳 |
左から塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳 |
下りは上りより難儀でした
久しぶりのクランポン歩行のためです
出刃でつまづかないよう足を上げて歩いたため足がつりました
さっそく芍薬甘草湯を飲みます
注意していても時折出刃を草や裾にひっかけて転びました
クランポンを外したあとは雪で滑ります
小走りで下り12時過ぎに出発地の駐車場に戻りました
思ったより早く登れたので帰りは桜の名所に立ち寄りながら川越へ帰りました
高遠城址公園 |
山高神代桜 |