2018年4月11日水曜日

黒旅(7)-1 鹿児島⇒川内港


鹿児島中央駅前の公園から国道3号線を薩摩川内市に向かって走り出します

車道にはたくさんの自動車が疾走しているのでやむなく歩道を走ります
道が中山峠への登りにかかると歩道が狭くなります
ところどころ歩道もなくなり車道を走ることになりました
そんな道が金山峠まで続きました

国道が薩摩川内市に入ると道は突然ゆったりした片側二車線になります
あまりの変わり様にあぜんです
原発のある自治体のひとつの分かりやすい風景です

川内川の河口に近づくと長崎堤防というところがありました
その堤防の上の道を抜けきろうとした時でした
道脇に止めた車から降りてきたおじさんが声をかけてきました
「どちらからいらしたんですか」
「埼玉です」
「この長崎堤防をぜひ見ていってください」
せっかくなのでおじさんの案内で見て歩きました
堤防の下流側の突端から見ると堤防から川に向かって鋸刃状の突起が見えます
これが治水に目覚ましい効果があって広大な田畑を確保することができたそうです
昔から人びとが水と格闘してきたことがまざまざと分かる遺構です

この鋸刃状の突起を見たとき「おや、どこかで見たような」と思いました
たしか昨年行ったライン川の下流に似たような形をした堤防があったような・・・
同行のフランス人にあれは何だろうと尋ねてみました
かれは「防波堤かな」と言っていました
家に帰ったらよく調べてみようかと思います

ーー
後日調べてみました
九州の土木遺産ー長崎堤防
小野仙右衛門さんが画期的なアイディアで長崎堤防を完成させたのは1687年のことです
ライン川の堤防
ライン川のこの堤防と長崎堤防とどちらが先にできたのだろう?
どちらかがどちらかを模倣したのだろうか?
ーー

それにしても袈裟さんにはとても気の毒なことをしました
そこまでしなくてもよかったんじゃないかと思います
おじさんは別れ際にペットボトルのお茶をくれました
これから川内原発へ行きますというと
「わたしは原発反対ですから行ったことはありません」とにこやかに言いました

さて川内原発につきました展示館へ行きます
今月からこの展示館に勤め始めたという案内係の人に川内原発の概略を説明してもらいました
5分ほどで終わりました
まだ若干堅さがありますがもう少し練習すればOKじゃあないでしょうか

川内原発は一号機が検査中で二号機が稼働中です
どちらも完成から30年経っています
一機作るのに2300億円かかったそうです
廃炉にいくらかかるのでしょう


川内港近くの民宿に泊まります
15人ほどのお客さんは原発関連の人達です

民宿の若奥さんは自転車好きでフロントの横にロードバイクが置いてありましたこの辺りを走り回っているそうです

明日走る阿久根への国道は道幅が狭いので要注意とのことです

本日の走行距離:67㎞