2017年10月2日月曜日

黒旅(6)-6 志布志⇒開聞

志布志の民宿のご主人が出しなにわたしの自転車のブレーキを調整してくれました
ブレーキが甘かったんですね
ご主人は自動車整備工場を営んでいたのです
たとえ人の自転車でも整備不良は放って置けないのでしょう
ブレーキの利きがバッチリになりました

ご主人にに見送られて民宿を出発します
ちょっと走って振り返るとまだ見送ってくれています
手を振ります
もうしばらく行って振り返るとまだ見送ってくれています
また手を振ります
いよいよ見えなくなりました

今日は鹿屋市吾平(あいら)にある小鹿酒造に見学に行きます
普段飲んでいるCOOPの黒しぶきという芋焼酎が実際にどのように作られているのか見て見て見たかったのです
少し「見」が多かったでしょうか
気持ちの現れということでお許しください

ブレーキの件があったので予約時間よりちょっと遅れて小鹿酒造に着きました


焼酎好きが体からほとばしっているような男の方が迎えてくれました
わたしの自転車をひと目見てランドナーとわかる自転車好きの方です
なんかラッキーという感じです

見学の前に芋焼酎についてのお話しを聞きました
芋焼酎の製造は芋の収穫期である9月から11月までのシーズン作業です
今がその最盛期です
貯蔵して傷んだ芋ではいい焼酎が出来ないのです

焼酎の美味しい飲み方、焼酎が血をサラサラにするという効果、小鹿酒造の創業や名前の由来など面白い話しをたくさん伺いました

さて見学です

農家からトラックで運ばれてきた芋は巨大なV字状の金属容器に入れられます
芋は黄金千貫という白っぽいさつまいもです
容器の下のベルトコンベアーで芋が運ばれて洗われ端っこが切り落とされます
皮はなるべく削らないようにします
皮のすぐしたに焼酎の風味を決める成分があるからです

きれいになった芋はさらにベルトコンベアーで屋内に運ばれます
そこにはキレキレの包丁を手にした女の人たちがいます
傷んだ芋が流れてくるやそれを掴みとって傷んだ部位を包丁で切って取り除くのです
この芋を蒸して砕いたあと一次もろみと合わせると二次もろみが出来ます

一次もろみは国産の加工米を蒸したあと酵母と水を加えて四、五日寝かすと出来ます

二次もろみを10日寝かすと15.5度の原酒(と言うんでしょうか)になります

これを蒸留すると38度のツンとしてピリッとした焼酎になります
これを巨大なタンクに貯蔵して最低2ヶ月熟成させます
ビンやパックに詰める前に水で薄めて度数を調整します

毎日30トンの芋が契約農家から運ばれて来てそれをその日のうちにすべて仕込みます
これが一升ビンで1万5千本分の焼酎になります!

以上のような製造方法は50年ほど前から変わっていないそうです

工場の中は蒸した芋のいい薫りがします
結構暑くて案内の方は汗だくになっていました

前割り小鹿のペットボトル入りをおみやげにいただいて見学を終わりました
1時間半もお邪魔してしまいました
ありがとうございました

これからも頑張って黒しぶきを飲もうと心に誓いました

吾平から鹿児島湾に出ると北の方に桜島が煙を上げています
ここから海沿い南下します
アップダウンがあります
とりわけ長い坂を上ると「峠」というバス停がありました
海岸沿いなのに...

かなりくたびれて根占(ねじめ)港に着きました
ちょうど指宿行きの高速船が出るところだったので飛び乗りました

今年3月に就航したばかりの「なんきゅう10号」

乗船客は私一人です
あっという間に指宿に着き高速船を降りて西に向かって走ります
開聞(かいもん)岳がどんどん近くなってきます
山頂が雲に覆われています高校生の時にこの山に登った日と同じような天気です

JR西大山駅から見た開聞岳
開聞岳の登山口にある民宿に泊まります

本日の走行距離:71㎞