1988年5月3日火曜日

後方羊蹄山

臨時急行ニセコが、下車予定の倶知安駅に近づくと、後方羊蹄山はいよいよ大きくなった。駅前からがらすきの真狩行きのバスに乗り、樹木園で降りる。

後方羊蹄山の真狩側を滑りたいと以前から思っていた。とても旅費がかかるので、それだけのために北海道まで来ることはできなかった。今回の利尻山行の予備日が、幸運にも残っていて、加えて、後方羊蹄山を滑ろうという気力も残っていたら、チャンスを生かしたいと思った。

昨日利尻山に登って下り、稚内で祝杯をあげた後、夜行列車を乗り継いで夜遅く小樽に着いた。宿は大広間しか見つからず、雑魚寝で睡眠不足だった。行こうかどうしようか迷ったが、ともかくこうして登山口まで来た以上は、歩きはじめるしかない。


現在位置から真狩側の山頂までの標高差は約1,500mで、時刻は10:30。ここから倶知安駅へ戻る最終バスは、17:30発。7時間の範囲内で登って滑って来ようと決めた。30分ほど登ると車道が終り、そこからシール歩行する。なるべく上を見ないようにして、50分歩き10分休憩をマイペースで繰り返して山頂に到着。(15:15)


景色を楽しみながら休憩し、滑降を開始した。(15:40)今シーズンを締めくくるに相応しい豪快な滑りができた。この喜びを分かち合う同行者こそいなかったが、とてもうれしい気分で登山口に戻った。(16:50)