1984年12月15日土曜日

谷川岳

 TSMC会員のT氏は東京理科大に勤務している、理科大は、天神平スキー場にあがるロープウェー乗場のすぐ近くに山小屋をもっている。そこをベースにして初滑りをすることになった。

 今シーズンは降雪が少なく、滑れるスキー場は限られているので、天神平スキー場には沢山のスキーヤーが早朝から押しかけた。わたしたちは前夜遅くまで酒盛りをした。ようやく起きてロープウェー駅へ向かうと、すでに乗る順番を待つ長蛇の列ができていた。

そこで、初日は天神平まで歩いて登り、ゲレンデ・スキーをした。翌日は天神尾根経由で谷川岳の山頂を往復した。

 入山時は夜行列車の中で大酒を飲み、小屋ではまた浴びるほど飲んで、連日の二日酔いである。このような調子ではいい山行などはできない。


 11月に結婚してからというもの、酒によるトラブルが絶えない。体力、技術、知力が無いものが、いいスキー山行をやれる条件は何か。それは、自分には力が無いことを深く認識して、力をつけるための努力を怠らないことである。力のないものが、おごり、高ぶったときの結果は悲惨である。自戒すべきは慢心である。山には危険が潜んでいる。その危険のありかをつきとめ、避けなければならない。