1980年10月4日土曜日

甲斐駒ケ岳

 急行アルプスで朝早く新宿を出発する。

 韮崎で朝食をとり、買い出しし、がらすきのバスで横手まで入る。そこから横手神社まで30分ほど歩き、そこで冷たい水を飲んで足ごしらえする。


 杉木立をすぎて雑木林の中をジグザグと登り、約1時間で見晴らしの良いベンチがある。そこから黒戸尾根の主稜に取り付くころには下りや水場もあり、変化がつく。ここから本格的な登りになるが、皆調子がよく、元気に登る。笹の中を過ぎ、岩場になったところで休憩する。釜無川の断崖や甲府盆地がはるか下に見える。八ヶ岳もくっきりと見える。行く手に大きく見える黒戸山をまいて、今日の泊地である5合目小屋に16:00に着いた。


 外で夕食を作っていると、小屋の犬2匹が周りをうるさく歩き回ったが、結局何もあげなかった。夜はこたつを囲んで、持ってきた缶ビールを飲み、暖かくして寝た。


 朝日の中、富士山は新雪を北側に頂いている。甲斐駒ケ岳は全山紅葉の盛りで、花崗岩の白い輝きときれいなコントラストをなしている。その中を登るのがなんと楽しいことか。この山は標高3千メートルに近いが、秋の高山をこんなにのんびりと楽しめるなんてついている。山頂近くの岩陰には、硬い初雪が残っていた。そして楽しい山頂でのひと時を過ごした。

 下りはただただ急いで、横手発15:25のバスに間に合わせた。