1977年9月6日火曜日

富士山

 ヨーロッパアルプスの峰々は標高4,000mを越える。高度に慣れておくには日本国内では富士山しかない。ちょうど富士山の麓で自動車免許の合宿教習をうけているところだったので、はじめてこの山に登ってみることにした。
 教習所から未明にバイクでスバルラインに向かう。料金所には誰もいないので、止まらずに通過する。照明灯のない暗い道路をひたすら登っていく。道の傾度が結構あるらしく、バイクのエンジンがうなった。
 5合目に着いたが、まだ日の出まえなので、あたりの様子が分からない。スバルラインの終点とおぼしきところにバイクを停め、登山靴を履いて登る準備をする。
 ひと気のない道をどんどん登っていくとやがて朝日が昇ってきたが、そのころにはもうだいぶ上に来ていた。最後は階段状の道を登って行くと山頂に着いた。山頂のお鉢をぐるりと回り、吉田大沢の砂の道を思い切り駆け下った。