1989年1月29日日曜日

谷川岳・天神平

Mとジョー

オレゴンから来た留学生のジョーがスキーに行きたいというので、国際部のMも誘って天神平に日帰りで出かけた。

天候は雪だったが、田尻沢の滑降コースの新雪を何度も楽しんだ。ジョーはスキーが達者なので、一緒にエンジョイした。ところがMはかなりくたびれてしまった。最後の滑降の際に、沢にかかった丸太橋を滑って渡ろうとしたところ、沢身に滑りこんでしまった。落差は1m程だったが、手首を岩にぶつけてしまった。ストックも持てない状態なので、歩いて駐車場まで戻り、水上の医院で診断を受けたところ、手首を骨折しているという診断だった。そのあたりからMはパニック状態になってしまい、大事をとって沼田の救急病院の集中治療室に入ることになった。

わたしとジョーは病院の待合室で寝て、Mの様子を見た。翌日大丈夫そうなので、退院して千葉の実家まで送って行った。

1989年1月16日月曜日

木曽御岳山

TSMC・スティーブ

カリフォルニアからの留学生スティーブと、以前からアイスクライミングに行こうと誘い合わせていた。そんな時、FMさんが木曽御岳山に山スキーに行く計画を立てたので、これに便乗して、スティーブも連れて行くことにした。

今冬は暖かく、山に雪は少ない。おんたけスキー場も下部は雪不足で営業していなかった。スキーリフトを乗り継ぎ終点で降りると、もう標高2,256mの三笠山である。ここから平坦な田の原に歩き出す。大きな山小屋があり、夏はここまでバスが入る。広々した田の原を過ぎると、針葉樹がまばらに生えた斜面に、登山道が防火線状に切られている。そこを30分ほど登って行くと、森林限界になる。これ以上上に登ると、風当たりが強くなるので、ここでテントを張ることにした。

翌朝は満天の星空から始まった。じっくり日の出を見てから出発する。王滝頂上(2,936m)に向かって、左側のルンゼをアイゼンを効かせて直登する。雪崩の心配はないが、スティーブが滑落した場合に備えて、彼の10m程下から登る。王滝頂上直下で休憩。、中央アルプスのむこう側に南アルプス、富士山、八ヶ岳などが良く見える。

王滝頂上に立つと、火山の噴気がモクモクと立っている。風当たりが強くなり、地面の雪が飛ばされて地肌が出ている。これより上部ではスキーができないようなので、スキーをデポして剣ヶ峰(3,067m)へ向かう。辿りついた剣ヶ峰の頂上には、小屋が何軒もへばりついていて、残念ながら3,000m峰の実感に乏しい。しかし、展望は素晴らしかった。ここまで全く見えなかった乗鞍岳や穂高連峰が勇ましく聳えていた。

景色を楽しみながら昼食を食べ、下山にかかる。スキーの滑り出しは、はじめこそ軽い雪だったが、すぐにアイスバーンになってしまい、楽しめなかった。

手軽に3,000m級の冬山を楽しめたが、留学生のスティーブにはだいぶ交通費を使わせてしまった。