今年も夏期合宿前のボッカ訓練を馬鹿尾根でやった。
例のごとく、大倉の少し先の水無川の河原で天幕を張る。ここのキャンプ場は、夏になるとキャンパーが沢山来て、夜中の12時過ぎまでワイワイ騒ぐ。翌朝早く起きて、山に登ろうと、早寝している人間にはたまらない。しかし、考えようによっては、このようにして敢えて眠れない状況を作り出し、睡眠不足のまま重いキスリングを背負って馬鹿尾根を登るのは、とてもハードな訓練になるといえる。
翌朝は雨であった。これは梅雨の時期なので当然である。じとじと降る雨の中を登っていく。各人のキスリングは平均30㎏前後であるが、低学年のものほど軽くしてある。僕はすこしも疲れなかった。というのも、歩くのが遅いメンバーと一緒に行動しているからである。
塔ノ岳の山頂まで、水無川の天幕場から4時間くらいかかった。そして、山頂の隅に、皆が背負ってきた水無川原の石で、小さな、ほんとうに小さなケルンを作った。
下山は、塔ノ岳から三ノ塔まで表尾根を縦走し、三ノ塔尾根から大倉へ下った。