1972年9月25日月曜日

水棚沢

 体育祭の次の日くらいに出かけた。磯工山岳部の山行は大抵キスリングを背負っていき、幕営するのだが、今回はサブザックで日帰りの沢登りとした。夏期合宿をもって3年生が引退したあとは、2年生が山行を計画することになっている。僕が部長になったので、僕の提案でこの山行を計画した。


 新松田駅に朝の7時頃に集合した。バスに乗って宇津茂まで行き、そこから歩いた。今年7月の豪雨の影響で、河原が前に比べてずいぶん拡がっている。滝郷沢をすぎて、堰堤を巻いて行くと、見覚えのある水棚沢の出合に着いた。昨年11月にこのあたりでキジを撃った際に1000円失くしたので、探してみたが見つからなかった。


 水棚沢を遡行していくと、つぎつぎ堰堤が出てきた。わらじに履き替えて、岩がゴロゴロしているゴーロを行くと、崩れかけた滝があった。そこを越えて、沢幅が狭まってくると20mの滝があった。この滝は、M先生と僕だけが登ることになって、他のメンバーは高巻くことになった。Nは真っ先に巻き道に向かった。他のメンバーもぞろぞろとそれに付いて行った。


 20mの滝は、中段までは簡単に登れた。そこからわずかの間滑りやすい部分があったが、あとは簡単に登れた。そこから上に10m程度のおもしろい滝が3つほど連続した。そこを抜けると堰堤があり、その上で高巻きしたメンバーと落ち合った。高巻きしたメンバーは、核心部をぜんぜん楽しめなかったことを知り、悔しがっていた。ここで昼食をとった。


 水が少なくなってきた沢をさらに遡り、二俣を右に入り、ガレ場をほんの少し詰めると、檜岳の山稜にひょっこりと飛び出した。雨山へ行き、雨山峠から宇津茂に下った。

 

 途中沢沿いにあるアケビやクルミを取ったりして面白かった。