1971年6月6日日曜日

鍋割山から表尾根

6月5日
磯工山岳部は夏期合宿にそなえてボッカ(歩荷)訓練を行います

ボッカとは山小屋への荷揚げ仕事のことです

山岳部では訓練としてキスリングに石ころをつめて運びます

一日限りの石ころ運びが実際にどの程度効果があるのか疑問でしたが参加しました

引率はわたしの恐れる数学担当のMI先生です


どんよりとした空のもと、大倉のバス停を出発しました

今日は二俣までの林道歩きです

わたしはキスリングを背負うのが初めてで少し歩きづらさを感じました


雨が降ってきたのでポンチョを着たりして二俣に着いた頃には薄暗くなっていました

夕食を終えるとさらに雨足が強くなってきたのでシュラフにもぐりこみました

近くにある登山訓練所から発電機の音が聞こえてきます

小屋泊まりの人たちを羨ましく思いました


6月6日

翌朝はなんと晴れに近い曇りです

絶対に大雨になりボッカ訓練は中止になるだろうと思っていたのに・・・

期待を裏切る天候をうらめしく思いながら出発の準備をします

キスリングには重さが25㎏になるように石ころをつめます


かつてなく重い足取りで二俣から歩き始めました

後沢乗越を過ぎ、尾根の急なところになると、足の運びがさらに遅くなってきました

それでもみんななんとか鍋割山の頂上に着きました


これでひと安心と水をガブ飲みし飴をなめているとMI先生に「あまり飲むな」と言われました

これも訓練のうちと自分にいいきかせ少し我慢しました


鍋割山の山頂でキスリングにつめた石ころを捨てて塔ノ岳を目指しました

このあたりのブナ林が好きです

塔ノ岳を過ぎて木ノ又大日で休憩しているとブヨの猛攻撃を受けました


カンダレテ(完全に疲れて)ヤビツ峠のバス停に着きました

あろうことか大秦野駅行きのバスは運休していたのでさらに蓑毛まで歩くことになりました