2019年5月29日水曜日

ブラック・ツーリズム ドナウ川 川越⇒チューリッヒ


Danube from wiki

プロローグ
このドナウ川の自転車旅はブラックツーリズムの第三弾です
なぜドナウ川なのか、とブラックツーリズムについてはのちほどお話しできればと思います

ドナウ川は長さ2850㎞でヨーロッパ第二の河川です(第一はボルガ川で3690㎞)
ヨーロッパ中央部を西からほぼ東へ向かって流れ、流域は17か国にまたがっています
シュバルツ・バルト(ドイツ)が水源で、ドナウ・デルタ(ルーマニア)で黒海に注ぎます

今回は源流の町ドナウエッシンゲンからブダペスト(ハンガリー)までを3週間で走ります
一緒に行くドミニク(フランス人)とはドナウエッシンゲンで5月30日に落ち合う約束です
旅のスタイルは自転車にキャンプ道具一式を積み、基本はテントに泊りで、自炊をします
過労少楽にならないように、一週間に一日の割合で休養日をとって物見遊山もします

1500㎞と想定される行程を21日間で走り切れるかどうかわかりません
天候や体調、自転車など装備の具合、走り通す技術と気力などにかかっています
ドミニクは2013年にここを走ったことがあります
その際には源流地帯で雪が降ったり、中流部では増水のため迂回を強いられたそうです

ことしはどんな旅になるか分かりませんが、無理せず楽しくやってきます

モスクワに置いてけぼり
ことしはヨーロッパの行き帰りにあえてアエロフロートを使うことにしました
難のある航空会社だと承知していますが運賃が安く、飛行時間が比較的短いことが魅力です
さらに自転車を段ボール箱に入れずに預けられるので行き帰りの準備がとても楽です
しかも多くの大手航空会社が徴収する100ドル程度の自転車荷扱い料金をとられません

5月29日 9:00
写真のとおり、ペラペラのナイロン袋に自転車と寝袋などを入れて成田空港で預けました

小雨の成田空港でチェックインへ向かう
12:15
隣は空席のままアエロフロート機で成田空港を離陸しました

16:00
モスクワ・シェレメーチェヴォ空港に定刻に着きました
ここに来たのは32年ぶりです
まだ社会主義国だったあの頃とはすっかり変わって、広い空港にやたらと免税店が目立ちます
搭乗ロビーの片隅のバーでビールをちびちび飲みました
女性店員の様子をぼんやり見ていて、その気だるい動作にあの昔を思い出しました

1杯 299ルーブル≒500円
18:30
今月5日にアエロフロート機の事故(41名死亡)があったばかりの空港を無事離陸しました

ほっとしてモスクワの町を見下ろす
21:00
チューリッヒにも定刻に着き、旅は順調にスタートしたようでした
そう思いつつ空港で自転車が出てくるのを待っていました

22:00
1時間ほど待ってもわたしの自転車が荷物受取口から出てきません
しびれを切らして係員に調べてもらいました
「あなたの荷物(自転車)はまだモスクワにあります
あすの午後にはここに届くでしょう...」

ショック!

どうしてわたしの荷物だけがモスクワに置いてけぼりをくったのだろうか?
あの不定形で重たく持ちにくい荷姿のためだったのか
それともシェレメーチェヴォの地上勤務員の緩慢な動作のためだったのだろうか
それとも…

とりあえずいまここでできることは何もありません
仕方なく明日また来ることにしました

23:00
予約してあった空港近くのホテルにチェックインしました
ドミニクの留守電に状況説明のメッセージを入れ、シャワーも浴びずに寝ました

チューリヒ⇒ドナウエッシンゲンへ続く