西沢渓谷入口でタクシーを降りると、見知らぬ老人に、「どこへ行くだ。」「沢に入ってはいけない。これから大雨になる」と言われた。わたしはすぐ頭に血が上る性質なので、ムカッときた。これから天候が悪化することは、重々予想していた。頭上には黒っぽい雲が重くのしかかっている。それを気にして、様子を見ようと思っているのに、あのように頭ごなしに言われると腹が立つ。
ともかく二俣でツエルトを張ろう、とズンズン歩いた。河原の流木を集め、盛大に焚火をしてウサを晴らした。
翌日は、しっかり雨が降っていたので沢登りは中止して帰った。