とうとう第10回という節目を迎えた記念すべきフリークライミング・コンペが、快晴の東伊豆城ケ崎海岸あかねの浜で行われました。参加者はフリクラコンペ史上最高の18名(うち2名は会員外)を数え、今シーズンの会員のクライミング熱の盛り上がりと相俟って、緊張と興奮はいやが上にも高まりました。
コンペ会場となったあかねの浜は、小ぢんまりとした入り江で、朝到着した10時頃は誰も取付いているパーティーはなく、思うままにルートを設定することができました。4本のルートにトップロープをセットして、ルールの説明を行ったあと、11時よりコンペをスタートしました。
今回からルールを改正しましたので、それについて少々。
トップロープ方式(5.6~5.10A)によるタイムレース
グレード下位のルートから順にトライする。
同グレードのルートの完登者が複数の場合は、タイムの早いものを上位とする。
以上に加えて、参加者が多く、コンペの時間が足りなくなる恐れがあったので、
自信のあるものは、下位グレードのコースをパスしても良い
というルールを付け加えました。
さて、コンペが始まると下位グレードのルートをパスした人はいませんでした。そのため、5.6から5.8+の3ルートを終了した時点で午後5時の終了予定時間になってしまいたした。そのため、コンペはここで終了し、登れたルートのグレードとタイムで順位をつけました。
ルート①イソギク(20M、5.6)
ジェードルを10M直上して、右のバンドに上り、そのまま右にトラバース(歩ける)。最後はクラックにジャミングを決めて、そこを乗越すとハングした岩があり、そこにタッチして終了。
ルート②ツワブキ(20M、5.8)
カンテ状のフェースを直上するとかぶり気味になり、乗越すとテラス。ここからルートが2本あり、左はフィンガークラック、右はジェードルからハンドトラバース。どちらも最後は立木を握って終了。左はフィンガージャムがポイント。
ルート③毘沙門天下部+広目天上部(20M、5.8+)
ハンドクラック(レイバック)からハング下を直上する。垂壁下のフレークをハンドトラバースし、下り気味にカンテを回り込む。フェースを直上して、最後はハング下のクラックにジャミングを決めて乗越す。
結果は、ルート③を最も早く(2分28秒)登ったわたしが優勝した。2位はT(3分13秒)、3位W(3分41秒)となった。
<クライミング寸評>
H あいかわらずのネチネチした、つきたての餅のようなクライム。お尻をプリプリさせながら2本目をこなしましたが、3本目は痛恨のリタイア。直前の減量に失敗したのでしょうか。はたまたSJ欠場のショックでしょうか。いまひとつ元気なく、昨年5位の成績からするとやや不本意な結果に終わってしまいました。ひきつづき来年に期待しましょう。
M 昨年のヒロセぶりを発揮したのがこの人。真新しいフィーレをきりりと履いて、3本目までパリッと登った益荒男ぶりは、とても○○才とは思えないまばゆさでした。職場の相棒まで会に引き込み、ますます山にのめり込んでいく独身○○年。今後会のリードオフマンとしての期待をいだかせるような会心のクライムでした。あっぱれ。
O フリークライムの実力は会随1と目されながら、気の良さからいつもトップを人に譲ってしまうこの人。クライムは安定しているがややスピードを欠き、3本目4位だったが、もっと難しいルートで今後エンジン全開するでしょう。
K 前夜伊豆急電車の中で派手に宴会しながら城ケ崎についた川上君。なんと見るも無残に蚊の襲撃にあい、鬼面のようになって岩にとりつきましたが、ファイト不足は否めませんでした。それでも5位。「来年は絶対朝行くぞー」(本人談)
Y ライバルを僅差でかわしてしまったがために賞品がもらえず、くやしがっていたのがこの人。「賞品が欲しかった」と順位に執着しないいさぎよさを見習いたい。
H もしある要素をハンディとしてこのコンペに取り入れたら、この人が明らかに1位でしょう。一同脱帽。ペコリ。今後とも我らを魅了せんことを。
T 最近メキメキと力をつけてきた成長株の1人。トレーニングを積むことにより、一層素質が引き出されるでしょう。期待します。
OS かつて(ほんの数年前)は岩にのめっていたこの人も、いわゆるハードフリーの波をかぶっていなかったのでしょうか?隠居するにはまだ早い。
U(W予定) ここのところ元気のないTSMC女性陣に強烈なカンフル注射をうってくれました。2本目のフィンガークラックを難なくパスし、3本目もきれいなフットワークであれよあれよと最後のハングまで行きました。が、ここでギブアップ。残念でした。おしかった。来年もまたきっといらしてください。
TT 荒削りながら岩に対するファイトはピカイチ。3本目のスピードが足りず、トップはのがしたが、トータルタイムでは1位。難ルートになればなるほど持てる力を発揮するでしょう。
フルヤマサコ あーらお久しぶりのお母さんクライマー。待ちに待ったカムバックです。岩から遠ざかっていても、まだ力は充分残っていました。「来年は頑張るわ」のひとことがうそに聞こえない人柄。まわりの男が小さく見えまーす。
T 1本、2本と着実にこなし、3本目いい線までいきましたがギブアップ。昨年6位、今年8位。伸び盛りの君に必要なのは「ファイト」です。
M 登れませんでしたが、賞品を貰いニコニコして帰っていきました。入会するそうです。雪と岩の万歳楽があなたを待っています。
K 昨年の悔いを見事に晴らす3本完登の堂々7位。中年台風の目となって、次第に勢力を増しながら北上中。今冬には滝谷に上陸の予定。
KT ルール改正(最も難しいルートを最も早く登れた者が1位)の恩恵にあずかり、なんとか1位。最近太ったという悪口にも、本人はあまりめげていない模様。
K 2本目をなんとか登り、3本目もの期待を持たせたが、派手に落ちて10位。その気になればもっと力を出すでしょう。
W パワーは当会随一見ていても岩場が壊れるのではないかと思われるような力感。フリークライムに対する欲が出て、登りこめばさらにいい線いくでしょう。よきパートナーを得て岩に対する夢は無限に広がります。
M 昨年4位ながら、テクニカルなムーブに慣れていないためか今年は残念な成績でした。まだまだやれますとも。ぜひやってください。
さらなる前進に向けて-来年はルールをさらに整えて、誰もが、安全に、楽しめる、フリクラコンペにしましょう。「登ろう 明るく たくましく」‘86フリクラコンペ標語でした。