1973年5月27日日曜日

塔ノ岳

 記憶というものは、時の流れとともに移ろいやすい。しかも、自分の生き方にとってあまり重要でない経験についての記憶は、なおさら移ろいやすい。


 この山行は磯工山岳部の関東大会予選として行ったのだが、今(1977年8月20日)思い出そうとしても、よく思い出せない。なので、おおよそのことだけ書く。


 磯工山岳部は2パーティーで参加したと記憶している。例によって四十八瀬川の二俣に天幕を張る。大会だったのだから、きっと設営の最中には、その様子を採点する人がいたにちがいない。夜にキャンプファイヤーをやっても、他校の人が集まって来なかった、というのがこの山行だったかしら。


 翌朝の天気は良好だった。林道を登っていき、小さな道を右に入っていく。大会だったので、空缶やゴミなどを拾いながら登ったのかなと思う。小丸で昼飯を食べたのかなと思う。塔ノ岳の頂上でワイワイと騒いで、たしか大倉尾根を下ったのだ。


 このように、顧問から行けと言われて行った山のことはよく覚えていない。残念なことである。